熱中症について②
こんにちは。骨盤キュア整骨院の蘆田慎吾です。
ついに梅雨も明け、これから夏本番ですね。
それにしても暑すぎますよね・・・。
各地で35℃を超える猛暑日が続いています。
昨日は豊岡で38,9℃にもなったようです。
少し外出するだけでも、汗が噴き出します。水分や塩分補給を欠かさないようにしましょうね。
子ども達も学校行事で倒れてしまったり、年配の方では外で草むしり中に亡くなってしまったりと本当に危険な暑さになっています。
先週は1週間で1万人以上が熱中症で病院へ搬送されたそうです。
熱中症対策をしていきましょう!!
前回のブログで「熱中症について①」を書かせて頂きました。
「熱中症について①」の内容としては、「熱中症とは?」から始まり「熱中症の予防法」「高齢者に起こる熱中症」について順に書かせて頂きました。
是非知っていて欲しい・実践して欲しい内容になりますので、まだ読んでいない方は下のURLから記事に飛んで読んでみて下さい。
熱中症について①
今回は「熱中症について②」として、「子どもに起こる熱中症」「熱中症の分類」「熱中症の見分け方」「熱中症の応急処置法」について順にまとめて書いていきます。
「子どもに起こる熱中症」:
子どもと言っても、特に思春期前までの子どもは、体温を調節する能力が大人のように発達していないので、高齢者と同じ様に熱中症になる危険性が高いです。
汗をかく為の汗腺機能が特に発達しきっていないので、熱が体に溜まると、皮膚への血流量を増やして、熱を体の外に出そうとします。
子どもは大人よりも多くの体表面積で熱を作り、熱を体の外に出そうとするため、熱しやすく冷めやすいという体の特徴があります。
気温が皮膚の温度よりも低い場合は、大人と同じ様に体温を調節することが可能です。
しかし、気温が皮膚の温度近く、もしくは皮膚の温度以上に上がると、熱を外に出すには汗をかかないといけませんので、汗腺機能の未発達な子どもでは大人よりも熱が体に溜まりやすくなり、熱中症になってしまいます。
子どもの場合は、めまいや失神といった症状が出る「熱失神(熱中症の1つ)」になることが多いです。
立ちくらみがすると言われたり、立ちくらみになっていると要注意です。この状態では、熱中症の初期症状になるので、この状態の時にしっかり対応できると、重症化する事を予防できます。
水分の補給が大事になりますが、喉の渇きが大人よりも感じにくいということはないです。
ですので、「喉が渇いたら水を飲もうね」というように自由に飲み物を飲めるように教育しておくことが大切です。
外出している時は、こまめに水分補給をさせてあげて下さい。
(子どもの熱中症を防ぐポイント)
①顔が赤く、酷く汗をかいている場合は、深部体温がかなり上昇している状態ですので要注意です。
②喉の渇きに応じて適度な飲水活動を行って貰う。
③日頃から適度に外で遊ばせて、暑熱順化(暑さに慣れさせる)を促進させる。
暑熱順化に関しては、「熱中症について①」をご覧になって下さい。
④暑さ・環境に応じて衣服の着脱を適切に指導する。
暑かったら服を脱いで貰う・外に出る時に服装を調節してあげて下さい。
(気温の測り方)
一般的に、地面から150㎝の高さで気温を計測しているようです。
気温が32℃の場合、例えば地面から50㎝の高さでは35℃を超えているとされます。
ですので、大人が暑いと感じている時は、幼児は更に高温の環境にいることになります。
(水分補給の大切さ)
人間は体にある水分の2%が減ると、喉の渇きを感じます。
3~4%が減ると、食欲がなくなったり、イライラ、皮膚が赤くなる、疲労困憊状態となります。
5%以上減ると、意識不明になったり、呼吸困難、体がふらつき、筋肉のけいれんが起こります。
人は元々1日で2,5リットル分の水分を体の外に出していると言われます。
そのうち食事で1リットルは摂っているとされます。
ですので、1日最低1,5~2リットルの水分を意識して摂りましょう。
また、汗をかくと水分の他にナトリウム(塩分)も体の外に出してしまうため、水だけでなく塩分も同時に摂取して下さい。経口補水液かスポーツドリンク、または自作されるなら1リットルの水に1~2グラムの食塩を混ぜて飲むようにしてみて下さい。
「熱中症の病態と重症度の分類」
熱中症の病態は熱失神・熱けいれん・熱疲労・熱射病に分かれます。
重症度はⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度という形で表現されます。
Ⅰ度よりⅡ度、Ⅱ度よりもⅢ度がより重症です。
熱失神・熱けいれんがⅠ度に当てはまります。熱疲労がⅡ度、熱射病がⅢ度に分類されます。
実際の例ではこれらが組み合わさって起こり、明確に分けることは出来ないです。
脱水症状や塩分の不足・循環の障害・体温の上昇が様々な程度に組み合わさって起こります。
熱失神(Ⅰ度):
立ちくらみが起こります。立っていることで血液が脚にたまり、脳への血流が少なくなることで起こると言われます。
熱けいれん(Ⅰ度):
大量に汗をかいた時に水分だけでなくて、塩分も体の外に出てしまいます。
それによって、筋肉がけいれんしてしまいます。その時に痛みも伴います。
簡単に言うと、筋肉のこむら返りみたいな状態になってしまいます。
ですので、大量に汗をかいた時はスポーツドリンクや経口補水液で水分や塩分を補いましょう。
真水を飲むと、より体の塩分の濃度が下がってしまい症状を引き起こしてしまいます。
熱疲労(Ⅱ度):
全身の体のだるさ、力が入らない(脱力)、頭痛や吐き気、嘔吐、下痢が起こります。
熱を体の外に出そうと皮膚表面に血液が集まったり、運動などで筋肉への血流量が増えた際に、脳や内臓にいく血液の量が少なくなることで起こります。
体温は正常か少し上がる程度になるようです。40℃を超えることはないそうです。
軽い意識障害が出るが、昏睡などの高度な意識障害はみられないとされます。
意識障害は「いつもと様子が違う」程度の極軽い状態から始まります。
「いつもと様子が違う」というのがあれば、注意深く観察する必要があります。
熱射病(Ⅲ度):
Ⅱ度の熱疲労がより重症化したものです。
汗をかいたり、皮膚の血管が広がることが出来なくなり、体温が40℃以上に上がってしまいます。
体に触ると、体が熱いとはっきり分かります。
そのため、重要臓器(脳・肝臓・腎臓など)の機能が障害を受けたり、体の熱を外に出すことが出来なくなり、高度な意識障害が起こります。
また、呼びかけや刺激への反応がおかしい、体にガクガクと引きつけがある(全身のけいれん)、真っ直ぐ歩けない、走れないなどの症状が起こります。
「熱中症への応急処置法」
熱中症の症状を疑った場合には、そのまま放置すれば死に直結する緊急事態であることをまずは認識しないといけないです。その場ですぐに体を冷やすなどの応急処置が必要になります。
重症の場合は救急車を呼び、医療機関での処置が必要となります。
①
熱中症を疑う症状(めまい・立ちくらみ・筋肉の痛み・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感(だるい感覚)・虚脱感(力が入らない)・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温(触っても熱い))
はありますか??
②
熱中症を疑う症状があった場合に、まず確認すべき事として、その人に意識がちゃんとあるかどうかを見極めて下さい。
意識が無い場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関で適切な処置をして貰いましょう。
救急車が来るまでに、できる限りの応急処置を行います。
意識があった場合は、救急車はとりあえず呼ばずに、涼しい場所に避難し衣服をゆるめて体を冷やして下さい。
意識が無い状態でも、もちろん避難させます。
(涼しい場所への避難):
・風通しの良い日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させます。
(脱衣と冷却):
・衣服を脱がせ、ベルトやネクタイ・下着は緩めて風通しを良くして、熱を体の外に出す作用を助けます。
・露出させた皮膚や衣服の上から水をかけて、うちわや扇風機などで体を扇いであげて下さい。
・氷嚢などがあれば、首の前の両脇、腋窩部(わき)、そけい部(あしの付け根)に当てる。この部位には大きな血管が通っているので、効率よく体温を低くすることが出来ます。
③自力で水分は飲めますか?
自力で飲めない場合は、救急車を呼ぶか医療機関に受診して下さい。
飲める場合は、水分と塩分を補給させます。
(水分・塩分の補給):
・呼びかけに返事があって、意識がはっきりしているなら、口から冷やした水分をどんどん飲ませて下さい。
・大量の発汗があった場合には、水分だけでなく塩分も大量に排出してしまっている状態です。失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンクなどを飲ませて下さい。
・「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」「呼びかけや刺激に対する返事が無い」など意識障害がある時には、水分を飲ませようとすると誤って水分が気道に流れ込む可能性がある。また、「吐き気」「嘔吐」は、すでに胃腸の機能が障害されている証拠なので、これらの場合には、口から水分を入れることは禁物で、医療機関での点滴が必要となります。
④熱中症を疑う症状は良くなりましたか?
全くよくならない場合は、救急車を呼ぶか医療機関に受診して下さい。
症状が良くなった場合は、そのまま安静にして、十分に休息をとり回復したら帰宅しましょう。
※熱中症を疑った時に、まず意識が障害されてないかの見極めが凄く大切になります。
重症の昏睡だけで無く、応答が鈍い(自分の名前が言えないなど)なんとなく言動がおかしい、日時や場所が分からないなどの軽い意識障害もあるので注意が必要です。
迅速適切な救急救命処置を行っても救命できないことがあるため、熱疲労から熱射病への進展を予防することが大切です。
「医療機関を受診する目安」
「熱中症の病態と重症度の分類」が参考になります。
大まかに、Ⅰ度(応急処置で対応できる軽症)、Ⅱ度(病院への搬送を必要とする中等症)、Ⅲ度(入院して集中治療の必要性のある重症)に分類されます。
現場で確認すべき事は、意識がしっかりしているかどうかです。
少しでも意識がおかしい場合には、Ⅱ度以上と判断し病院への搬送が必要となります。
医療機関へ受診した際や、救急車を呼ぶ際はこれらを伝えて下さい。
①熱中症になるまでの状況
活動場所・活動内容・その場にどれくらいの時間いたのか・十分な水分、塩分補給は出来ていたのか?
②熱中症を疑う症状
立ちくらみや頭痛・めまい、吐き気・嘔吐、意識障害があるかないかなど。
③最近の状況
今シーズンいつから活動を始めたのか?体調は?睡眠状況など。
④その他
今までにも熱中症になった事があるか?持病の有無、特に心臓疾患・高血圧・糖尿病があるかどうか?
服用中の薬があるかどうか?など。
「医療機関での応急処置方法」
全身の冷却、脱水(循環血液量が不足している)に対する水分補給、電解質(ナトリウムやカリウムなど塩分)の異常に対する補正、酸塩基バランス(代謝の障害から体液は酸性に傾いている)の補正などが直ぐに開始されます。
①体の外側からの冷却方法
<氷枕・氷嚢>
<冷却マット>
冷水を通したブランケットを敷いたり掛けたりします。
<蒸泄法>
水を浸したガーゼを体に広く載せて、扇風機で送風します。
<ウォームエアスプレー法>
全身に微温湯または室温水を露状の水滴として吹きつけ、扇風機で送風します。
②体の内側から冷却する方法
<胃管または膀胱カテーテルを用いる方法>
冷却水で胃壁・膀胱壁の血液を冷やします。冷却した生理食塩水を入れては出すという操作を繰り返します。
<体外循環を用いる方法>
人工(血液)透析の要領で、血液が体の外に出ている間に物理的に血液を冷やしてそれを体内に戻します。
<集中治療>
Ⅲ度の熱中症では人工呼吸器を用いた呼吸管理や急性腎障害(尿が出ない)に対する透析療法、
出血傾向に対する治療などが行われます。
今回は「熱中症について②」を書かせて頂きました。
まずは、熱中症にならない為の備えが大切です。
もしも、熱中症になってしまった時は、出来るだけ早く涼しい場所に移動したり、体を冷やす様にしましょう。
もし、周りに熱中症の症状が出ている方がおれば冷静に対処しましょう。
その際に、相手の意識がしっかりしているかを確認してあげて下さい。
意識がもうろうとしていたり、はっきりしていなければ、医療機関への受診が必要な状態です。
耳式体温計があれば、簡単に体温も測れるため、携帯しておくと便利です。
これからより暑くなりますが、夏休みや・お盆休みなど、長期休みに楽しく過ごせるように暑さ対策をしていきましょう!